一隻眼 いっせきげん

禅語 真実を見抜く目

碧巌録8則

そのように見たいし 自分の認識に一隻眼 皆無とはいえない。

他人の見方を注目するのは 一隻眼を期待するからである。

 

太平洋戦争の時代 一隻眼の人 皆無ではない。

国際法横田喜三郎 「この戦争は侵略戦争であります」空襲のさなか東京大学の教壇からの言葉。矢内原忠雄の連続講演。特高の監視下 決死の言説。不思議なことに 一隻眼の人々は治安維持法で獄中で死んでいる。

特高は隻眼がわかる?

特高に逮捕され 顎の骨をはずされるなど 拷問を受けたわが恩師有田正三は「(特高は)よく勉強しよるんや」とほめていた。当時の京都大学の社会統計学ヘーゲル哲学の世界で難解この上ない。それを取り締まる治安警察の学的レベルは高かった との証言。

 

一隻眼 ありたし。しかし 才知に恵まれていて 十字架を背負う運命の 選ばれた少数の人々のものなのであろうか。